by Kcouscous カテゴリ
フォロー中のブログ
foggyな読書 ことのは・ふらり・ゆらり... となえウタと 往来座地下 NabeQuest(na... 春巻雑記帳 日常と夢の記憶 石のコトバ O Kumatetsu Ga... Lenzgesind エッフェル塔マニアの「そ... 胡乱亭 さし絵のサイン 水牛だより ヒツジのタンス らしさ ーY.tricotー atelier ALDE... toriko les 100 sacs... 光と影をおいかけて 風 daily-sumus2 日々の皿 侘助つれづれ ウェスタンニューヨークの... daily-sumus3 絵日記日和 ウェスタンニューヨークの... 外部リンク
別館
ライフログ
ブログジャンル
|
2023年 07月 24日
七月の雪のない富士山。 富士山に雪がない景色は私にとってはめずらしいが、雪をかぶった富士山の絵や写真を見るたびに思い出すことがある。 たぶん私が小学校2年か3年生くらいのころだったと思うが、ふと思いついて長兄に「高い山は太陽に近いのにどうして雪が消えないの?」と聞いたことがある。この兄はなんでも知っていてえらそうにしているひとで、6つ違いだからこのとき中学校2年か3年生くらいだったと思うのだが、「高さが◯メートル上がるごとに空気の温度は◯度ずつ下がっていくんだ。だから山は高ければ高いほど寒いんだよ」と言った。そして「いい質問だ」と言った。 翌日の学校の休み時間、教卓の周囲に子どもたちが群がってきれいな若い女の先生に好き勝手にしゃべりかけていたとき、私はまたほめられたいものだから同じことを先生に聞いたのだった。すると先生は「〇〇さんは高い山に登ったことある?」と聞いた。私がないと言うと、「じゃあ、こんど登ってみたらわかるわよ」と言って話は終わりになった。私は子どもながらになんとなくインチキを感じた。 そのなんでも知っていてえらそうにしていた兄が先週死んだ。 時は過ぎゆく。 #
by Kcouscous
| 2023-07-24 13:44
| 旅
2023年 07月 04日
「えっ、このうちのメダカ鉢はウェッジウッドなの?!」と妹が驚いていたが、睡蓮鉢を買いに行くのもめんどうだし、もうこんな大きなサラダボウルを使うことはないからいいのだ。 * 小学校5年生からの長い付き合いの友だちが近くにいる。お互いに地元を出たり入ったりの時期があり、遠くになったり近くになったりして会わない時期も多かったが、会えば何十年たっても小学校5年生のときとまったく同じ心持ちになるのがおかしい。いまも何か面白いことがあるとなんとなく電話してくるのだが、このひとは面白い話には事欠かないのである。 つい先日は、歯医者に定期検査に行き、久しぶりだからレントゲンを撮ってみましょうかと言われて撮ったら小さな虫歯ができていると言われ、思わず「えっ、うそ!」と言うと、医者はおもむろに治療台を起こして、「あのね、歯医者はうそを言ってやってられる商売じゃないんですよ」と言ったという。 その前は、大きなパチンコ屋の隣にある日産の小さな修理工場に、車検に出していた車を取りに行ったときのこと。タクシーに乗って、わかりやすいだろうと思って「パチンコタイガーまで」と言うと、タクシーの運ちゃんはちらっとバックミラーを見て、「奥さん、朝からいい御身分だね」と言ったそうだ。「あのね、ふつうはパチンコに行くにしても、日産まで、と言うんじゃない」と私が言うと、「あらぁ、そうかしら」とのたまった。このひとは昔から見栄を張ったり取り繕ったりするということがない。 ずっと専業主婦だったが料理にまったく情熱がなく、デパ地下情報にやたらに詳しい。それでもどうやってか三人の息子をちゃんと育て上げたが、彼女の言うことには、上の二人は文句を言わずに出されたものを食べたのに末の息子は生意気で、「ごはんよ〜」と呼ぶと二階から降りてきてテーブルを見るなり、「マジすか」と言うのだそうだ。そのときの食卓がどんなものだったかは敢えて聞かなかった。 またパソコンを導入したばかりのころ、わけがわからなくなってサポートセンターに電話し、「どういう環境でお使いですか?」と聞かれて、「ふつうの六畳間です」と答えたというのはこのひとである。 おあとがよろしいようで。 #
by Kcouscous
| 2023-07-04 22:13
| あれやこれや
2023年 06月 28日
たまには製本など。 これは「交差式」という製本方法で、厚めの紙2枚と糸だけあればできる。糊は使っていない。同人誌や会報やカタログのような薄い冊子を何部かまとめて綴じておくのに便利な方法だ。 *今日の一冊 『イリノイ遠景近景』藤本和子(新潮社/1994) 藤本和子はブローティガンの小説の翻訳で有名な翻訳者だが、これはイリノイの片田舎で暮らす日々を綴った自身のエッセイ集で、著者の大胆にして繊細な人柄がよく現れていてすごく面白い。このひとの目と耳というか、人間の観察力と洞察力は並外れたものがある。少し前に岩波現代文庫から再販された『塩を食う女たち 聞書・北米の黒人女性』でもそう思ったが、人から深い話を引き出せるのは、聞く人が深い関心と共感力を持っている場合に限られるのである。誰でも聞き書きやインタビューができるわけではない。バカな質問をすればバカな答えしか返ってこないのだ。 インディアン居留地の際に住むアメリカインディアンのアーティストを訪ねていって話を聞き、ふと気づいて「ずいぶん長居をしてしまった」と藤本さんが謝ると、「いやいや、ちっとも。こんな深いインタビューを受けたのは初めてだ」と彼が答える場面が象徴的だ。おかげでこれまで考えたこともなかったことを言葉にできた、と言うのである。本当の対話ってこういうものなんだなあと感銘を受ける。 #
by Kcouscous
| 2023-06-28 23:39
| 製本/本
2023年 06月 13日
昨日いつもの薬をもらいに行った内科では、日光過敏症じゃないかと言われた。「庭仕事とか畑仕事とかしてませんか? ゴルフとかウォーキングとか」と言われるが、ゴルフなんてまるで縁がないからつい笑ってしまう。畑仕事と言えるのかどうか、狭いベランダで小さなプランターにリーフレタスやパセリやバジルを育てているくらいだから、まったく何が原因なのかわからない。
お正月に食べ忘れた百合の根を埋めておいたら、こんなきれいな花も咲いた。 本当に日光アレルギーなら、ますます引きこもりになってしまいそうだ。 まあ、それも悪くないかという気分。 #
by Kcouscous
| 2023-06-13 10:33
| 食べるもん
2023年 06月 06日
入口に井上ひさしさんが座っていて驚くが、ここは山形県東置賜郡川西町の川西町立図書館。この町出身の井上ひさしが自分の蔵書22万冊を町に寄贈し、1987年に町立図書館内に「遅筆堂文庫」が開設された。山形市蔵王に遅筆堂分館があってそちらには行ったことがあるが、念願の本館を訪ねるのははじめて。 井上ひさし自筆のおびただしいメモ紙や付箋が付けられた膨大な蔵書に圧倒される。これだけの本や資料を読んで、これだけの数の小説や戯曲やエッセイを書いた、って、一日は誰でもみな同じ24時間なのにねぇ、と同行した友人たちとため息をつく。 先週の土曜日、隣接する劇場で井上ひさし作・栗山民也演出の『きらめく星座』のこまつ座公演があったので、そのついでに訪ねることができた。井上ひさしが1983年にこまつ座を創設して座付作者になってから井上演劇はいろいろ見てきているが、今回この劇場に来て、近くを走っているJR米坂線の最寄りの駅が「小松駅」だと知って、こまつ座のこまつはそこから来ているのか!と初めて気づいた。 劇はリズミカルに明るく、ドタバタと楽しく進行し、やがて登場人物のそれぞれがそれぞれの行く道を決めて、めずらしく手に入った貴重なビールで別れの乾杯をして明るく幕は降りる。だが茶の間の壁にかかった暦の日付は1941年12月7日であり、赤紙が来て明日入隊する若者、満州へ旅立つ教師、レコード店を閉めて長崎へ引き上げる夫婦の行く末が劇を見ている観客にはわかるので、悲しい余韻が残るのである。セリフの一つひとつがよく考えられた、いい戯曲だと思う。 #
by Kcouscous
| 2023-06-06 17:09
| 旅
|
ファン申請 |
||