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2008年 10月 09日
ついでがあってヴィルヘルム・ハンマースホイ展を見た。黒いドレスの女性の後ろ姿と誰もいない室内ばかり描いたことで有名なデンマークの画家だ。開館時間を調べるために見た国立西洋美術館のHPがすごかった。女性雑誌によく登場する“セレブ”の若い女性6人を選んで、作品の一枚に思い思いのショートストーリーをつけさせている。同様のストーリーを一般公募もしていて、優秀作品にはなんと「豪華賞品」、コペンハーゲンまでの往復航空券が「当たる!」んである。え?そういうノリの展覧会なのか?と思って、あやうく見逃すところだった。 美術館も経営が苦しくてなんとかしてお客を集めなければならないのかもしれないが、こんなふうに何でもかんでもわかりやすく、親しみやすくして、ブームみたいにしてしまうのは問題な気がする。こういう静かな、画面からまったく音が聞こえてこない地味な絵は、地味に静かに見るのがいいんじゃないだろうか。会場で絵に付けられている説明も、後ろ姿しか描かれていない画家の妻の不幸ばかり嗅ぎ取ろうとしていて、いやに週刊誌的ワイドショー的アプローチだった。個人的な好みだが、私は絵を文学的に見るのは好きではない。 最近「オランダの光」という、オランダの光は特別かどうかを考えるために定点観測するドキュメンタリー映画を見たばかりなので、その影響かもしれないが、この画家は光を描きたかったのではないかと、並んでいる絵を見ながら思った。ハンマースホイは描きたいものと使いたい色にはっきりした好みがあり、ちらちら移っていく光の動きとそれを画面にとらえることに魅了されていただけなんじゃないだろうか。
by Kcouscous
| 2008-10-09 23:01
| 旅
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Comments(8)
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mototot
at 2008-10-10 09:06
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今朝、ちょうど一番手前の絵のように、家の中に朝日が高い位置まで差し込んでいたので、ああ、陽が伸びたなぁ、と、カメラを向けたが、しょぼいのでやめたところでした。
人は馴染みのないモノや人に会った時、会った感じを大事にすることなく、「わけ」や、「背景」を知ろうとするし、知って安心するというところがあるんじゃないでしょうかね。
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daikatoti at 2008-10-10 09:33
その6人のストーリー、全部読んだわけでもありませんが、なにか引っかかりますね。 ご本人達も、頼まれて、仕事としてこなした、という感じがしますね。 同じく、こういうふうなのはどうも・・であります。
以前ボナール展の会場で、小学一年生ぐらいのお子さんを連れた教育ママふうのお母さんが、絵の前で一生懸命なにか子供さんに説明しておられましたが、絵というのは説明されるというものとは違って、感じてもらいたいとおもうのですが、さて、あのお子さん,大きくなってどんな絵の見方をするのでしょうか。
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Kcouscous at 2008-10-10 16:50
*motototさん
そうですね。情報を仕入れて、知ってしまえば納得してそれでおしまい、というところがありますよね。展覧会で言えば、タイトルを見て説明を読んで、あ、なるほど、と次の絵に移っていくような人たち。何見てるのかなあと思いますが、こういうものすごい情報社会では、何も知らないでただ無心に感じるということも難しく、不安なことかもしれないですね。
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Kcouscous at 2008-10-10 16:59
*totiさん
そういう子たちがおとなになると、よく展覧会にいる解説おじさん、受け売りおばさんになるのかな? 絵を見て、知識や解釈に走らずに、うわあきれい〜、おおっすごい、だけではダメなのかなあと私なんかはよく思いますが、しかしそれでは「美術評論」なんて出てこないでしょうからやっぱりダメなのかも。よくわからないところです。
こんばんわ。
こういう画家がいることを知りませんでした。 興味ある絵です~。 絵って、自分とって好きな絵か嫌いな絵かということでいいのでは、と思います。 よく描けているしいい絵だと思っても、でも自分は好きではないと、思うことがよくあります。 きれい~、すごい、でいいと私も思います。 絵って、受ける感動も年齢を重ねると違ってくることがままありますね。
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Kcouscous at 2008-10-11 00:19
*Annkoさん
こんばんは。Annkoさんも感覚派ですか〜。私もそれでいいと思うのですが、思ったこと感じたことを言葉で表現しなければ考えは深まらないと言う人もいるので、揺れるところです。 確かに絵も本も映画も、すごく若いとき(^^;)と感じ方が違ってきますね。どっちかというと感動というより、ああ、そういうことだったのか!と理解することのほうが多くなる気がします。
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bongsenxanh at 2008-10-15 23:10
こんばんは。
今頃になってコメントをつけてすみません。 このハンマースホイという画家の存在も、作品も、Kcousさんの記事で初めて知りました~。 この女性の後ろ姿の雰囲気とか、おくれ毛の感じとか、少しだけワイエスを思い浮かべたり、空の描き方はややマグリットを連想させたり、光の描き方はちょっとだけフェルメールを感じさせたり...。 強烈なオリジナリティは感じないのだけれど、でも彼なりのこだわりがうかがえる絵ですねえ。あと、北欧に近い側の方のヨーロッパの人の絵だな、と。 生で見てみたいです、この方の絵。特にこのソファの絵を。 あ、ぱっと見た時にですね、似ているというのではないのだけれど、自分が持っているジャック・ヴェトリアーノのシルクスクリーンが頭をよぎりました。この絵です。 //www.aberdeencanvas.com/images/product_images/product_image_1459.jpg 画家って、横顔とか後姿とかに興味を覚える人種なのではないかという気がしました、なんとなく^^ ちなみにヴェトリアーノの作品で私が好きだと思ったのはこれだけでした(^^;) 他のものはあまりに商業的過ぎるんですー。
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Kcouscous at 2008-10-16 21:50
*ふえさん
こんばんは。コメントありがとう♪ ジャック・ヴェトリアーノの絵、見せていただきました。ハンマースホイが現代を描いたらこうかもという感じがあって面白いですね。でもヴェトリアーノ(って初めて知りました)のほうは女の人の気分を描いていて、ハンマースホイのほうは女の人を家具のように描いているという違いがある気がします。 確かにいろんなひとに似てますね。でもハンマースホイにはものすごくはっきり自分の好みがあって、イタリアやフランスなども長期旅行したらしいですが、明るい色や空気が気に入らなかったのかぜんぜん描いていないのが面白い。自分は自分というところが強かった人なんじゃないでしょうかね。フェルメールほどうまくもないですしね。 うん、私もワイエスを思いました。ワイエスも好きですが、ワイエスはあまりに上手すぎて、器用すぎて、軽く見えて損してるところがありますね。へたすると「商業的」スレスレというところがあって。 おかげでいろいろ考えさせられて、面白かったです〜。
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