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2019年 03月 03日
中央郵便局まで行く用事があり、通りがかった餅屋でふいに食べたくなってずんだ餅とくるみ餅とうぐいす餅を買う。包装紙がひな人形の模様なので、ああ、今日はひなまつりだったと思い出した。 ここは狭い小さな店で、昔からある何の変哲もない町の餅屋なのだが、最近は観光パンフレットやガイドブックなどに載っているらしくて、いつ行っても観光客ふうのお客であふれている。若い女の子たちやおしゃれなおにいさんたちがそんなにずんだ餅を食べたがるとは思えないのだが、おしゃれな雑誌などに載っているとMUST!とか思うんだろうか。 前に武士商法の「仙台商人」について書いたことがあると思うが、この店もその系列に属する。このあいだは大型バイクで乗り付けた若者と店のおばさんがもめていておかしかった。「今日中に食べるんだよね?」というおばさんの問いに、若者はそうだと言い続けるのだが、それにしては買う量が多過ぎる。なおもおばさんが念を押すと、意外に押しの弱い若者は、これからバイクで帰ると家に着くのは明日の朝になる、それからおみやげとして友だちに配るとあっさり白状してしまった。おばさんはためいきをついて「んだから、だめだってば。うちは何も余計なものは入れてないんだから、今日中でないとだめなの!」と頑として売らないのだ。 「じゃあ、どれならいんですか?」と若者は頭を掻き、明日でもいいくず餅とか大福とか買わされて帰っていったが、そのやりとりを聞いていた店内の客たちがみな笑い、しかたなく若者もおばさんも笑って、なごやかでよかった。若い観光客は食べものそのものよりも、スーパーやコンビニではできないこういう経験が面白くてわざわざこんなところまで来るのかもしれないな。 これは福島県三春の張り子のおひなさま。紙を貼り重ねただけだからすごく軽い。 風にふわっと舞い上がったような袖と、寄り目がご愛嬌。
by Kcouscous
| 2019-03-03 21:43
| あれやこれや
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Comments(8)
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mot
at 2019-03-04 14:51
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この、上げた肘をパタパタ上下させる芸人さんが居たように思えるが、さっぱり思い出せん・・
必ず今日中に食べてくださいね、と念を押すだけで、普通は売っちゃうだろうけど、武士商法ってなんだろう、プライド?
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Kcouscous at 2019-03-04 21:12
*motoさん
あ、いたね、そんな人。ぜんぜん思い出せないけど(爆) う〜ん、プライドというのでもなくて、ただ客に対してへりくだるという発想がないんじゃないかな。お客様の言うことはご無理ごもっともとは思ってない。全般的に売ってやるという感じ?^^ でも長く続いている店が多いからそう商売がヘタでもないわけで、いわゆる「武士の商法」というのとはちょっと違うかもしれません。
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daikatoti at 2019-03-06 19:30
いいですね、仙台商人の話もお餅も。おいしそうだ。
近江商人とはちょっと違いますが似てますね。 考えてみれば買う方だけ王様みたいに威張ってるってのも変ですよね。 売り手と買い手と世間がそれぞれにいい、というのが近江商人の考え方ですが、これからはいずれこういう時代になっていくでしょうね。
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Kcouscous at 2019-03-06 21:37
*totiさん
「近江商人」は知りませんでしたが、売り手にも買い手にも世間にも利益になる商売をという商業哲学を持つ人たちなんですね。りっぱだ! 「仙台商人」というのは、えばっていて無愛想、という意味で使われています^^ でもいまみたいに買う方だけが些細なことにクレームつけて、何様かという顔をして売り子をいじめているのは本当にいや。両者が対等な関係の時代になっていってほしいですね。
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okanouegurasi at 2019-03-10 04:08
うふふと笑えるいい話ですね。こういう正直な頑固さ、すきだなあ。武士商法>でえばっているだけじゃなくて客だって結局助かるもの...
近江商人のポリシーというのはほんとにすごいもので、今さかんに言われるコンプライアンスとかCSRとかを最初から含んでますもんね。
今こそカムバック近江商人!ですよ。 近江商人として出発した企業はたくさんあって、大丸、高島屋もそうだし住友財閥、西武グループもそう。ワコールもそう。 ワコールって、「江州に和す」からつけた名前なんだって。知らなかった〜。
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Kcouscous at 2019-03-10 15:04
*okanouegurasiさん
ふふ、私もきらいじゃありません^^ 電話に出たくないから、あるのに電話はないと言いはる店とか、入っていくといきなり「なに欲しいの?」と言う店とか、怒る客もいるだろうけど、自分のやりたいようにやればいいと思う。
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Kcouscous at 2019-03-10 15:15
*とっしゅさん
ふ〜ん、ポリシーを貫いてそんなに成功してるんだからすごいぞ、近江商人! ワコールといえば学生時代、ガチガチ硬派の先輩が就活をしていて「ワコールという会社から好条件で募集が来てるから応募してみるか」と言うので、下級生の女の子たちが「何の会社か知ってるんですか?!」と驚いて反対したことがありました。しかしそういう精神の会社なら案外合っていたかもしれないですね。
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