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2018年 11月 11日
これは檜枝岐産のそば粉を100%使っているという会津若松の製麺所のそば。 しかしちょっといいそばを買ってきても、乾麺はやっぱりそば屋で食べる生そばとはぜんぜんちがうのでいつもがっかりする。ところが友だちがどこかから聞いてきたという、おいしい乾麺の茹でかたを伝授してくれた。もうみんなが知っていることなのかもしれないが、私は知らなかったのでメモしておく。 茹でる前にそばを水に10分間ひたす。鍋に湯を湧かし、沸騰したらそばを入れて指定の時間より1分ほど短時間で茹でる、というもの。 やってみたら、確かに乾麺特有のぼそぼそした感じがなくておいしかった。 鶏肉となめこの温かいつゆで鴨せいろふうに。 *今日の一冊 『三つの寳』芥川龍之介著・小穴龍一画(改造社/昭和3年) もちろんこれはほるぷ出版刊の復刻版(日本児童文学館)だが、布装・天金の縦31cm×横22cmもある大型のりっぱな本。挿絵も別刷りで貼り込まれている。 『白』、『蜘蛛の糸』、『魔術』、『杜子春』、『アグニの神』、『三つの寳』の6編が入っている。芥川龍之介のリズミカルな文章はもちろんすごくいいのだが、まえがきとあとがきの文がとても気持ちがこもっていてよかった。 (小穴龍一によるあとがきから) あなたがたはあなたがたの一番仲のいいひと、一番好きな方がたと、御一しょに、この 三つの寳 を御覧になりませうが、この本は、芥川さんと私がいまから三年前に計画したものであります。私達は一つの卓子(テエブル)のうへにひろげて、縦からも 横からも みんなが首をつっこんで読める本がこしらへてみたかったのです。この本の差絵のもでるになって下さったかたがたばかりではありません。私共の空想 われわれがこの程度の本をこしらへるにもなかなかの努力がいりました。みなさんにこれ以上の贅沢の本は今日の日本ではこしらへてあげることが出来ません。私達の計画を聞いた方がたは、みんながよろこんでこの本の出来あがる日をたのしんで下すたものです。著者の 芥川龍之介は、この本が出来あがらないうちに病気のために死にました。これは私にとりましては大変に淋しいことであります。けれども この本をお読みになる方がたは、はじめ私達が考へていましたように、みんな仲よく首をつっこんで御覧になって下さい。…… (佐藤春夫によるまえがきから) 芥川君 君の立派な書物が出来上る。君はこの本の出るのを楽しみにしていたといふではないか。君はなぜ、せめては、この本の出るまで待ってはいなかったのだ。さうして又なぜ、ここへ君自身のペンで序文を書かなかったのだ。君が自分で書かないばかりに、僕にこんな気の利かないことを書かれてしまふじゃないか。だが、僕だって困るのだよ。君の遺族や小穴君などがそれを求めるけれど、君の本を飾れるやうなことが僕に書けるものか。でも僕はこの本のためにたった一つだけは手柄をしたよ。それはね、これの校了の校正刷を読んでいて誤植を一つ発見して直して置いた事だ。尤もその手柄と、こんなことを巻頭に書いて君の美しい本をきたなくする罪とでは、差引にならないかも知れない。口惜しかったら出て来て不足を言ひたまえ。……
by Kcouscous
| 2018-11-11 21:01
| 製本/本
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Comments(12)
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haru_rara at 2018-11-12 20:27
あとがきとまえがき、とてもいいですね。
佐藤春夫のことばに泣かされました。 装丁からなにから、こころがこもっていて、ていねいな美しい本。 乾麺のゆで方、初めて知りました。やってみます。 その前に新蕎麦をまだ食べていません。
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mot
at 2018-11-12 22:42
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morigurasi at 2018-11-13 11:26
本をいっしょに作ったという人、芥川が病気でなくなったと書いていますね。自殺なのは世間に知られただろうに。。。
きれいな本。新刊の復刻版?買えますか?
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Kcouscous at 2018-11-13 20:40
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Kcouscous at 2018-11-13 20:49
*motoさん
なるほど、乾物と考えれば道理に合ってるわけか。 そうは言っても、街なかに住んでいないと美味い蕎麦屋にすぐには行けないわけよ・・ 「病気で死にました」ということばづかいが胸に響きました。最近は「私が亡くなったら……」という人までいて、えーっと思う。
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Kcouscous at 2018-11-13 20:57
*morigurasiさん
これは子ども向けの本だから、そうとしか書けなかったんじゃないでしょうかね。まあ神経衰弱という病気だったとも言えるかも。 この復刻版は昭和の終わりごろに「日本児童文学全集」としてセット販売されました。残念ながらいまは古本屋に全集やバラでときどき出ているだけです。
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hibinosara at 2018-11-14 09:36
この方法、今度やってみます!
わたしもボソボソと、なんというか干した時の日向臭さのような匂いが、気になります。 もうご存知かもしれませんが、これは、ふつうに茹でてもなかなかでした。 そば湯も本物に迫っています。 https://lohaco.jp/product/1358048/
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Kcouscous at 2018-11-14 19:45
*hibinosaraさん
あ、やっぱりご存知なかったですか? なにしろ世事に疎い仙人ですゆえ^^知らないのは私だけかなと危ぶんでいたのでちょっとほっとしました。 「究極そば」教えてくださってありがとう。hibinosaraさんの推薦なら間違いない! さっそく取り寄せてみます。楽しみ〜
何十年も前のある夏、尾瀬で一泊して翌日は檜枝岐へ歩いたのです。ところが突然の雷と夕立。森の木々が雨を防いでくれたのもつかの間で全身ずぶ濡れに。ウサギがひょこっと現れて、不思議そうに見ていました。
雨がやんで歩きだすと、横切っている小さな川が増水していてえらい勢い。決死の思いで何とか渡りきって檜枝岐村へ。 腹は減るは疲れるはで、一軒の店らしき家を見つけて、何か食べるものをと乞うと、蕎麦ならあります。あぁぜひぜひ‥‥と。それが十割蕎麦でした。 若い店主、注文を受けてそれから蕎麦をこねだしたのです。 そしてそれを包丁で切る‥‥のではなくて、なんとパスタマシーンでぐねぐねとやりだした。 なるほどこうやればテクニックもいらんわなと思って食べましたが、どうも十割蕎麦の感動がないんです。 どうやら蕎麦の味は、半分は切った角にあるみたい。 丸っこい蕎麦ゲッティは無感動に喉を通り過ぎて行きました。
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Kcouscous at 2018-11-15 20:36
*とっしゅさん
檜枝岐でパスタマシン製の蕎麦!(絶句) それは得難い経験でしたねぇ^^ 私も二十代のころ四夏続けて尾瀬に行きましたが、あそこはのどかな歌とは裏腹にけっこうハードなコースで、ようやく桧枝岐まで出てくるとほっとしますよね。 一度泊まった檜枝岐村の小さな宿で、サンショウウオの丸干しを食べないうちは帰さないと言われて、青ざめながら必死でかじった記憶があります。檜枝岐ってかなり不思議なところだ……
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とっしゅ
at 2018-11-16 13:01
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Kcouscous at 2018-11-17 07:27
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