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2016年 03月 19日
一月末ダニエル・バレンボイムがベルリン国立歌劇場管弦楽団を率いてわが街にやってきたので、友人二人と聞きにいった。天井に頭が付きそうな席でも高かったが、バレンボイムの弾き振りによるモーツァルトのピアノ協奏曲22番と、ブルックナーの交響曲2番は非常に迫力があった。まあこういうのを聞いても私などは猫に小判の口なんだが、わからないながらもなにかものすごく明晰な音楽という感じがし、興味を覚えたのでバレンボイムの本を二冊読む。 バレンボイムは夭折のチェリスト、ジャクリーヌ・デュプレの夫だったが、デュプレの生涯を描いた『ほんとうのジャクリーヌ』という映画では、多発性硬化症に倒れて苦悩する妻をさっさと捨てて他の女に走るひどい男に描かれていた。そっくりさん俳優が演じる人物もすごく貧相だった。ところがどっこい、こういう本を読んだり、イスラエルとアラブの若い音楽家たちの出会いの場をつくろうとする最近の活動などを見ていると、この人は本当の天才で、ものすごく頭がよくて、非常にバランスのとれた考えかたの人なのだということがわかる。 左はバレンボイムと親友の思想家エドワード・サイードの対談集。バレンボイムはイスラエルで育ったユダヤ人、サイードはアメリカに移住したパレスチナ人で、二人の立場の違いを考えるとななかな刺激的。二人の言っていることはむずかしくてほとんどわからないんだが(…)、音楽ってここまで深いことを考えて演奏するのかとか、しかし本当に優れた人というのは専門ばかじゃないんだなとか、皮相的漠然的感慨を覚える。何よりもバレンボイムの公平さが強く印象に残る。イスラエル人に非難されながらも反ユダヤ主義のワーグナーの音楽に傾倒し、演奏し続ける理由などを語っていて面白い。
by Kcouscous
| 2016-03-19 23:11
| 製本/本
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Comments(8)
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morigurasi at 2016-03-20 12:57
フーム、これは面白そう。日本語で読みたいもんだ。たった今近くの街のクラッシックコンサートから戻ってきたところです。寝酒を少しすすって休みます。おやすみなさい。
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ハナ
at 2016-03-20 19:31
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私にもデュプレの夫という印象でした。禿げちゃったなあ、、なんて思ってたけど、その後もずっと活躍を続け、映画の描かれ方とはきっと違った人なんだろうと思っていました。映画の中ではデュプレもバレンボイムにひどいことしてた記憶があります。いつか私も聴いてみたいです。
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motot
at 2016-03-20 22:41
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Kcouscous at 2016-03-21 09:44
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Kcouscous at 2016-03-21 09:49
*ハナさん
見かけは年取ったなあと思いましたが、動きがきびきびして、とてもエネルギッシュに演奏・指揮してましたよ。 あの映画はプライバシーの暴露合戦みたいでしたね。あんな映画をつくる意味があるのかなと思いますね。
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Kcouscous at 2016-03-21 09:55
*motoさん
え、日本に来たの? すごい! そのオケのワークショップを始めたとき、おたがいにユダヤ人、パレスチナ人に初めて会ったという若者も多かったとか。 もともと同じ人間という発想があれば、こんなに悲惨な世の中にはならないのにね。
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とっしゅ
at 2016-03-22 11:03
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Kcousさんの別館、「映画は楽しい!」を改めて見ています。
というのは、ツタヤのDVD1ヶ月間無料お試しというのがあったので借りて見てるんですが、今まで見損なってきた様々な映画を簡単に見られるというのにハマって(敵の目論見に乗せられてしまった)、もうちょっと見続けようかと思ってるんです。 「映画は楽しい!」がとっても参考になります。「あほらし」という評価のものは除いて、みんな見てみたいなぁと思っております。 そうそう、『美女と野獣』1946年版もDVDありましたよ。今度借りてみます。
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Kcouscous at 2016-03-22 23:08
*とっしゅさん
あらま、本人もほとんど忘れている別館をお訪ねくださってありがとうございます。 最近、長いあいだ見られなかった古い映画がどんどんDVD化されているからうれしいですね。私はこのところ黒澤明の初期の作品を見ています。 これから先どんどん足腰が弱り、貧困老人になっても。本とDVDという安くて尽きることのない娯楽があるから安心ですね^^
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