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2010年 10月 24日
近所にちょっとようすがおかしいという噂のおばさんがいて、このごろよく門の前に不安そうな顔でぼんやり立っているのを見かける。このひとはちょっときついところがあって、あそこのスーパーのレジでけんかしていたとか、誰のところに乗り込んだとかいう評判があり、私など会って会釈しても10回に1回くらいしか返してもらえなかったのだが、最近ようすが違う。昨日も買い物から帰ってきたら門の前に立っていたので「こんにちは」と言うと、うれしそうに「こんにちは。お久しぶり」と応えたのでびっくりした。いや、昨日も会ったんですけど。 そして「運転してきたのぉ? かっこいいね」と言うのでさらに驚いた。私は生ゴミさえ車で出しにいくんだからほとんど毎日運転している。「そうですか?」と照れ笑いすると、「私はもう運転しなくなったから。そう、運転してきたのぉ。かっこいい、かっこいい」と言う。このおばさんが引っ越してきてから20年以上たつが、運転しているのは一度も見たことがないのだ。たぶんひとりで自由に出歩けなくなったので、そうしていたはるか昔のことが切実に思い出されるのかもしれない。 去年の暮れだったか、次兄が来たときに「なんだか人違いされたようだ」と入ってきた。車から荷物を降ろしていると、そのおばさんにぽんと肩をたたかれて、「あんた歳とったらいい男になったね」と言われたのだという。なんて答えたのと聞くと、「いやあ、どうも」と頭を掻いてきたと言うので笑ったが、思えばあのころからおかしかったのだ。 惚けて人格が変わり、観音様のようだったひとが般若のようになって毒づくとかいう話はよく聞くが、彼女のように般若だったひとがどんどん穏やかになっていくならいいんじゃないかとも思う。だが心細そうにぼんやり立っていたり、誰かを待っているように何度も門から出たり入ったりして通りの向こうを見やっている姿を見ると、かえって切ない気持ちになる。 あまり健康に気をつけたりして長生きするのはやめにしよ。
by Kcouscous
| 2010-10-24 22:34
| あれやこれや
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Comments(6)
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食い倒れ
at 2010-10-25 18:45
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昔、親戚のおじいさんが桜田淳子が田植え機のCMをやっているのをテレビで観て、「この子は人気者になってテレビに出ているのに、田舎の手伝いもしているなんて、偉い子だねえ」と言っていたのを思い出しました。
あんまり健康に気をつけたりして長生きするのはやめにしよ。という人に限って長生きです。 まあ、私はすでにアブナイ感じなので、これからどういう風に変貌するかわかりませんが、長生きして面倒見てください。 当方、曾祖母96才で没、祖母100歳で健在、母もバリバリ元気の長寿の家系ですので・・・・なにとぞよろしく。
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Kcouscous at 2010-10-25 23:28
*食い倒れさん
そのおじいさんはボケてたんじゃなくて本当にそう思ってたんですね。おしんにお米送ったひとたちみたいに。なんかいい話^^。 おばあさんは100歳で頭もしゃんとしておられるんだからすごいですねぇ。そういう家系なんだからだいじょうぶ! 私は今日、地下鉄に乗ろうとして「カードの方向が反対です」「裏表が逆です」と2回も機械に指摘され、あげくの果てに改札口でバシっと行く手を塞がれました。もうかなり来ているので、よろしくね。
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daikatoti at 2010-10-26 08:29
秋明菊、乱れ咲いていますね。ピンクのもきれい。これの咲く時期は一緒のようですね。
ほんとに、長生きする為の健康法とか検診とか無用ですぞ。 どうも長生きして、こういうばあさんみたいに、門の前に佇んで誰かを待っているというような、こういう辛いことになるなら、お迎えがきたら潔く、というのが望ましいとおもわれます。この方は一人暮らしなんでしょうか。 年取って最後に残る人格がどういうものか興味深いです。 うちの老親は、今の状態で何が残ってるかと云うといまだに「〜何ナニしなければならない」という規範意識なんですね。 この先、その規範意識を忘れる事が出来るのかどうか興味があります。そういうもの早い事忘れてしまったほうが幸せなのにね。さて、どうなりますか。
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Kcouscous at 2010-10-27 01:05
*totiさん
秋明菊、今年はいっぱい咲いてます。もう乱れ乱れて、庭というより原っぱ^^ このかたはご家族がいらっしゃるのですが、みな出かけてしまうと、いつ帰ってくるのか、本当に帰ってくるのか心配になるんじゃないかと思います。その不安がね…つらいですよね。 「年とって最後に残る人格」っていうのはすごくこわい。品性下劣な自分が出てきたらと思うと恐ろしいですが、その場合は病気だからそのひとの人格とは関係ないと思ってもらわないとね^^。 長いあいだ規範意識のなかで生きてきたひとが最後までそれを失わなければ、それはそのひとらしさを失わない、最後までそのひとのままでいられるということだから、かえって幸せじゃないかなあと思いますが、どうでしょうね??
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nabetsuma at 2010-10-28 20:53
このご近所さん、様子や行動がうちの母に似てるところがあります。
認知症は良いところもありで、なまじっか全然惚けていない父より ずっと可愛いです。but、感情の起伏が激しいときには怒り狂います。 物も投げる・・ 自分は惚けてもいいと思っています。死にたいする恐怖も和らぐだろうし〜
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Kcouscous at 2010-10-29 00:30
*nabetsumaさん
惚けてないほうが可愛くないというのは、よくわかります。歳をとるとどんどん意固地に、どんどんわがままになるもんね。でもまあ、おたがいさまだからしかたない。 惚けたくないと思っても惚けたいと思っても、これはどうしようもないから、すべてはなるがままに、あるがままに、Let it be... ですかね〜
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