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2016年 03月 11日
5年目の今日、本棚からこの本を取り出してめくってみる。比較のつもりか、ページの余白に、うちでは3月13日電気復旧、3月26日水道復旧、4月16日ガス復旧などと、鉛筆で書き込みがしてある。あのときはそれぞれが、それぞれの状況で、それぞれにそれぞれの苦境に耐えていたんだなと思う。 冷え込んで空気が澄み切ったあの夜、電気が消えた真っ暗な街の上には、本当にあっと驚くほどの星空が広がっていた。 今夜、その夜を追体験してみよう。 #
by Kcouscous
| 2016-03-11 14:10
| 製本/本
2016年 03月 07日
エミリー・グラヴェットが二度目のケイト・グリーナウェイ賞を受賞した作品がこの"Little Mouse"s Big Book of Fears"(Macmillan Children's Books/2007)だ。怖がりの小ネズミが自分の怖いものを並べ立てて、それを認めることで恐怖を乗り越えていく物語。ページに穴が開いていたり、あちこち齧り取られていたり、新聞の切り抜きやチラシや地図が貼り込まれていたりと、前作以上に自由気ままな楽しい造本になっている。 作者は、娘が小さかったころにとても怖がりだったのでこの絵本をつくったと言っていたが、初めのページには「この本は心配性の達人が、らくがきという方法で恐怖と向き合ってきた長年の経験からつくりました。みなさんも各ページの空いているところに自分の怖いものを描いたり、書いたり、コラージュして、アートの力で恐怖を乗り越えましょう。忘れないで! 恐怖は、ちゃんと向き合えば、かならず克服できるのです」と書かれている。 冗談とおそらく作者の造語も含まれているが、恐怖症を示す英単語がこんなに挙げられている。 arachnophobia (蜘蛛恐怖症) entomophobia (昆虫恐怖症) teratophobia (怪物恐怖症) clinophobia (横臥恐怖症) aicmophobia (刃物恐怖症) ablutophobia (風呂恐怖症) hydrophobia (水恐怖症) dystychiphobia (事故恐怖症) rupophobia (不潔恐怖症) ligyrophobia (大音響恐怖症) chronomentrophobia (時計恐怖症) isolophobia (孤独恐怖症) whereamiophobia (迷子恐怖症) acrophobia (高所恐怖症) ornithophobia (鳥恐怖症) phagophobia (恐食症) cynophobia (犬恐怖症) ailurophobia (猫恐怖症) panophobia (汎恐怖症) sciaphobia (影恐怖症) musophobia (鼠恐怖症) "panophobia"(汎恐怖症)はちゃんと辞書にも載っていて、「あらゆるものに対する病的恐怖」だそうだが、見るもの聞くものすべてが怖いというのは、ずいぶん悲惨なことだと思う。 #
by Kcouscous
| 2016-03-07 22:27
| 製本/本
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2016年 02月 29日
今日は4年に1回しか来ない日なので、記念に何か書いておこう。 写真は上海みやげの花茶。寒い冬の日に茶碗のなかにきれいな花が咲く。 * 前回に続いて、エミリー・グラヴェットについての覚え書き。 エミリー・グラヴェットはイギリス、ブライトン生まれ。パンフレットに生年は書いてなかったが、23歳のときに産んだ子どもが18歳になったというから、40代初めか。親と社会にことごとく反発し、大学になど行かないと宣言して18歳で家を出て、廃車になったバスの中で6年間暮らしたそうだ。当時、それ以前のヒッピーのコミューンのように、町外れの路上や公園に停めた古い車や廃車のなかで暮らす人たちがけっこういたという。自由で毎日がとても楽しい生活だったが、電気と水道がないのが唯一つらいことだったとか。 やがてパートナーとの間に子どもが生まれたが、水のないところで子どもを清潔に育てるのは難しく、古い家を借りて定住した。パートナーは配管工事の見習いを始め、彼女は絵が好きだったので人々の肖像画を描いて暮らしを立てていこうと考えて、市の美術工芸学校の一年間だけのイラストレーション科に入る。ところが一週間通ってみると、学びたいことがあまりにも多くあることがわかり、一年ではとても足りないと思って四年制の美術大学に入り直す。そこで熱心に制作に励んで、三年次にケイト・グリーナウェイ賞をとるわけだ。 そんな破天荒な生き方をしてきた彼女が、子どもには想像で絵を描かせるのではなく、しっかり物を見て描くことを教えたほうがいいと言ったのが面白かった。そのほうが、ものがどんなふうになっているのか、対象をじっくり観察することを子どもに教え、落ち着いてものを考える時間を与えるというのだ。何ものにもとらわれず、想像力をはばたかせてとにかく自由にのびのびとという、いま流行りの美術教育には逆行する考え方かもしれない。 私はむかし、ものすご〜く若かったころ、絵画のクラスで山に写生に行き、ほんの数十秒のうちにもうひとりの友だちとともに一行からはぐれて道に迷い、深い山の中を4時間さまよったことがある。しかしその前に2時間以上も遠くの山を写生していたために、山々のかたちと位置関係が目に焼き付いており、とにかくその通りの風景に見える方角に向かって険しい坂をよじ登り、滑り降りして、ふいにバス発着所の小屋の裏手に出たときには、最終バスの出る10分前だったという経験があるので、彼女の言う*observation drawing"(写生)のたいせつさというのは、とてもよくわかる。 #
by Kcouscous
| 2016-02-29 12:19
| 製本/本
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2016年 02月 24日
県立図書館がエミリー・グラヴェットというイギリスの絵本作家を招いて講演会を催したので聞きにいってきた。エミリー・グラヴェットは"Wolves"というデビュー作で、権威ある「ケイト・グリーナウェイ賞」を受賞している。 この"Wolves"(上の写真は出版10周年記念のペーパーバック廉価版)はとても凝ったつくりになっている。表紙を開くと、当の本が新しく図書館に入ったというお知らせのチラシがあり、次ページで図書館に借りにいったウサギがその本を開くと、また見返しが現れてコーヒーの染みがついた本当の貸し出しカードと返却期限表が出てくるといったぐあい。 実はこの作品は、作者が美大の三年生だったときに「メタフィクション」という課題で制作したものだったそうだ。メタフィクションというのは虚構と現実がごちゃ混ぜというか、一気にその境界を越えるしかけになっているフィクションだと思うが(違うか?)、この絵本も読んでいる人の視点とその本のなかで本を読んでいるウサギの視点とその裏で起きている現実が何層もの構造になっていて、様々なトリックがしかけられている。 結末は二種類用意されているのだが、最後のページには本当の封筒が貼付けられていて、中に「本の返却期限が過ぎているので早急に返してください」という図書館からの手紙が入っている。 作者自身の話を聞いて、この絵に描かれているのはドアマットで、その上に広告のチラシやウサギ宛の郵便物がたまっている、つまり住人はずっと帰ってきていないのだと知って、とても面白かった。 日本語版『オオカミ』は小峰書店から出ている。 #
by Kcouscous
| 2016-02-24 23:02
| 製本/本
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2016年 02月 18日
今年もいただきました。自家栽培無農薬夏みかんのホームメイド・マーマレード、ど〜んと3リットル。太っ腹。毎朝の朝食が大きな楽しみになる。 * 常日ごろ疑問に思うことはいろいろある。たとえば、天気予報で「明日は真冬並みの寒さになるでしょう」と言うのを聞くたび、えっ、いま真冬じゃないのか?!と驚くんだが、真冬っていつなんでしょう? また、殺人事件の裁判のニュースで判決文の「何の落ち度もない被害者を……」という文言を聞くたび、落ち度があれば殺してもいいのか?!と思って非常な違和感を感じるんだが、これらは単に自分が依怙地な年寄りに近づきつつあるということなんでしょうか? う〜む。 #
by Kcouscous
| 2016-02-18 22:28
| あれやこれや
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