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2013年 07月 01日
そういえば、もうひとつ富豪話を思い出した。 学校を出て初めて就職し、配属された課に、ぷくちゃんと呼ばれる先輩女子社員がいた。笑った目のかたちをしたスマイルマークのような丸顔で、いつもニコニコした口数の少ないおとなしいひとだったが、仕事のことを聞けば何だって知っていたので、みなに一目置かれていた。「ぷくちゃんは本当は働かなくてもいいんだけど、退屈だから働いてるんだってよ」と言われていた。毎朝、駅前で満員バスを乗り換えて8時半まで会社に行かなければならないのがつらくてしかたがなかった私は、本当は働かなくてもいいが退屈だから働いているということがどうしても理解できなかった。 ある朝、真面目で勤勉なぷくちゃんがめずらしく2時間近く遅刻してきた。赤い顔をして息をはずませて入ってきたぷくちゃんは、課長のデスクの前に行って、「すみません、今朝うちの庭の川を身投げした人が流れてきて、警察が来たりしてひと騒動あったもので……」と言った。私たち新入社員はぽかんとした。庭の川を、身投げした人が流れてきた?! その光景をいくら想像しようとしても、せいぜいが浅い池か側溝のようなところを身投げ死体があちこちひっかかりながら流れてくるところしか思い浮かばないのがビンボー人の私の限界だったが、とにかくそれでようやく「働かなくてもいいんだけど退屈だから働いている」ということの意味を理解したのだった。だから、神田駿河台一帯にあった薩摩治郎八の豪邸の庭内に稲荷山という山があり、そこに大きな狸が巣食っていたという話を読んでも、ちっともうそくさいとは思わない。
by Kcouscous
| 2013-07-01 10:05
| あれやこれや
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Comments(8)
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daikatoti at 2013-07-01 10:48
あかん、どうやっても想像できん。
庭の川に流れてくる身投げ死体。
0
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とっしゅ
at 2013-07-01 11:23
x
いやもう、座布団3枚はあげたい。
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Kcouscous at 2013-07-01 13:39
*totiさん
totiさんもビンボー人の限界じゃ^^
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Kcouscous at 2013-07-01 13:39
*とっしゅさん
おありがとうございます^^
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haru_rara at 2013-07-02 00:25
前回につづき、面白すぎます。
ほんとうに、 Kcouscousさんの文章は惹き込まれるなあ。 しかし、ぷくちゃんはおうちにいたほうが退屈じゃないかもしれない^^ 「若鮎」、求肥だけのほうが好きなんですが、これはアンコも一緒かなあ。
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Kcouscous at 2013-07-02 16:35
*ハルさん
いやいや、いくらぷくちゃんのうちでも毎日身投げ死体が流れてくるわけじゃないんだから^^ 「若鮎」、これ求肥だけのです。私はアンコの入ってるほうが好きなので、え〜〜なんでぇ、とがっかりしました。
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madame100g at 2013-07-02 22:13
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Kcouscous at 2013-07-03 08:24
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