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2012年 03月 03日
今朝起きたら、こんなドカ雪になっていた。しかし気温はそう低くないので、まもなくほとんど溶けた。いよいよ寒さも峠を越した感じ。 この冬は本当に寒かった。夜中に仕事をしていて、キーボードを打つ手にしもやけができていたのにはびっくりした。なんと小学生の時以来のできごと。しかし米原万里の『マイナス50℃の世界』(角川ソフィア文庫)などを読むと、せいぜい4℃とか0℃とかいう家のなかでがたがた騒いでいてはバチが当たると思う。 ロシアのヤクーツクという町は年間平均気温がマイナス10.2℃で、冬はマイナス50℃にも60℃にもなるという。そんなところにもちゃんと人は住んでいて、戸外で働き、子どもたちは学校へ行っているというのが感動的だ。去年の震災のとき、昔から何度も大津波に襲われているのに、どうしてまたそこに戻ってきて住むのか、何も学習していないんじゃないかと言う人たちがいたが、どんな過酷な環境でも、そこで生まれ育った人にとっては、そこはかけがえのないふるさとなのだ。 ところで200年余りも前、大黒屋光太夫という商人が難破した末にこのあたりを漂泊し、この極寒の地を生き延びて10年後に江戸に帰り着いた。その足跡をたどるドキュメンタリー番組をTBSが企画したそうで、米原万里が女性でただひとり、ロシア語の通訳として撮影クルーに同行して2カ月間シベリアを旅した。この本はそのときのことを子ども向けに書いたもの。 米原万里はものすごく有能なロシア語同時通訳者として有名だったが、その後通訳をやめて作家になった。ものすごく有能だっただけでなく、ものすごくコンジョのあるひとだったというのが、この本でもよくわかる。ところでTBSの「報道特集」は日本で唯一、調査報道をやっているニュース番組だと思うが(あまりテレビを見ないので断言はできないが)、そこで右側にすわっているキャスターの金平茂紀は、自分は米原さんに関わることがあったら、世界のどんな果てにいたって駆けつける、と言っている。ペレストロイカからソ連崩壊の時期、ふたりでずいぶんきわどい場面をくぐり抜けてきたらしく、どうやら彼女を単に通訳ではなく、同志と思っているふしがある。世界のニュースの現場を渡り歩いてきたジャーナリストに同志と思われるほど、コンジョと才気のあるひとだったということだ。その彼女があんなに若くて亡くなったのは悲しいことだった。
by Kcouscous
| 2012-03-03 19:02
| 製本/本
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Comments(8)
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食い倒れ
at 2012-03-03 19:32
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ご無事そうで何より。
蝋梅ですか?こうやって着々と春は近づいているのね。 私は今日、逆方向の地下鉄に乗ってしまい、狼狽・・・・
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Kcouscous at 2012-03-03 20:17
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wildrose53 at 2012-03-04 10:29
「どんな過酷な環境でも、そこで生まれ育った人にとっては、そこはかけがえのないふるさとなのだ。」
ほんとうに。昨夜、NHKで原発事故後のことがやってましたが、福島の人も、その気持ちに折り合いなどつけられない、とあらためて思いました。 米原万里さん、「オリガ・モリソヴナの反語法」や「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」など素晴らしかった。ほんとうに早すぎましたね。 雪だるまちゃんがめごいこと^^もうとけたかな?
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Kcouscous at 2012-03-04 22:39
*ハルさん
米原さんのは小説もエッセイもすごく面白いですよね。本当に残念でした。 マイナス50℃でも人々は驚くべき工夫をしてちゃんと暮らしているけど、放射能はねえ、工夫などしようがないからつらいですね。それでも簡単に折り合いはつけられないだろうと思います。 雪だるまはかなりとけてバケツが転がってました^^でもまた寒くなってきたね。
はじめまして、大切な一言が抜けています。
美しい方でした。誠実な美女だったのではと、確信しています。
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Kcouscous at 2012-03-06 22:55
*arz2beeさん
そうですね! 失礼しました^^。 だいたい、美女は不実で醜女は貞淑という固定観念が間違ってますね。 ふと米原さんの画像を探してみたら、大人になった嘘つきアーニャに会うすごいドキュメンタリーを見つけてしまいました。 www.youtube.com/watch?v=dGupfxUXpfY
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stcl at 2012-03-13 15:51
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Kcouscous at 2012-03-13 22:20
*stclさん
こんにちは。ありがとう。 石巻のお母さんはお元気ですか? あれから一年たってしまいましたね。 米原さんがいなくなってもう五年ですが、ペレストロイカ御殿はまだあるんでしょうか? 柳美里さんも鎌倉ですか。なんか、何人ぶんもにぎやかな感じですね^^
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